さよならレストインピース

だいたいジャニーズWESTのこと

ジャニオタと労働

6年間続けた仕事を今年の3月で辞めて、今は専業主婦的なことをしている私がこんなことを言うのはおこがましいかもしれませんが、今になって思い返せば、「ジャニオタである」というステータスは労働者である上でとても有益だったなあと思うのです。もちろん例外はあるでしょうが、私にとっては「ジャニオタである」ということがかなり労働の軸になっていました。つまり、ジャニヲタは労働に向いているんです。

そう思った理由をいくつかつらつら挙げてみます。

 

大したことは何も言えないけれど、近い将来就職をする学生さんとか、今働き出したばかりの新入社員さんとか、そういう方に「大丈夫だよ、やっていけるよ」って背中を押してあげられたらなあと思います。

 

 

 

 

①ジャニオタには賃金を稼ぐ動機と意欲がある

ジャニオタはお金がかかります。シングルが出た。3形態、全部買います。アルバムが出た。初回・通常、もちろん買います。ツアーが決まった。チケット取りは戦争です。戦場と言う名のATMの中へ、諭吉はみるみる吸い込まれていきます。その戦争に勝ったら次は交通費、グッズ代、宿泊費、現地での食費。楽しかったツアーが終わればそのDVDが出る。買います。自担の連ドラが決まった。あれ?レコーダーの調子悪くない?やばくない?買い直します。映画が決まった。土日はほぼ映画館に通います。新写真出たって!マジかよ!ジャニショに走ります。

入ってきた給料はそのままバケツリレーかのようにどこかへ放り投げる。休む暇なんてありません。彼らは容赦なく次々と金銭を要求してきます。それに応えるのがジャニオタの使命。疑問なんて抱きません。それが当たり前だから。

ジャニオタは働かなければならない。誰のために?何のために?他でもない自分のためです。我々には賃金を稼ぐ動機があるんです。そしてそれに対する意欲もある。働かないと、次の現場に行けないんだもの。あの泣き叫びたいほどに楽しく、眩しく、美しい2時間半の夢の世界へ飛び込むために、よし、今日も頑張ろう!そう思えるのがジャニオタの強みだと思います。

 

もしこれが、何も趣味を持たない人ならば。

お金を稼ぐ動機は「生活するため」のみになります。つまり、自分の生活費、食費、あと税金とか保険料?それだけのために必死で働いていることになる。必要経費のためだけに身を粉にして働くのはしんどいんじゃないかなあと思ってしまいます。とにかく常に目の前にお金を稼ぐ目的、しかも楽しい思いをするための目的があるジャニオタは、社会人の中でも幸せな部類に入るんじゃないかと思うのです。

 

 

 

②初対面の人との会話に強くなる

ジャニーズの現場で初対面の人に「初めまして」をする機会は、きっと誰しも経験があると思います。例えば、チケットを譲ったり譲られたりする場合。事前に郵送などで取引が終わることもありますが、現地で受け渡しをする機会もきっとあるでしょう。そのコンサートがなければ、きっと一生出会うことはなかったであろう人と出会う。名前と顔を知る。ものすごい奇跡だなと思うんです。せっかくならお話をしましょう。どこに住んでいるのか。誰が好きなのか。その人のどういうところが好きなのか。同じ趣味を持つ者同士、話題はいくらでもあると思います。

そういう機会に慣れることにより、仕事にも活かすことができます。

社会人をしていると、初対面の人といきなり一緒に仕事をしなければいけない場合があるんじゃないでしょうか。仕事でなくても、いきなり一緒にお酒を飲まなくてはいけない機会は必ずあります。そういうときに、あわあわ緊張していると相手にもその緊張は伝わってしまう。最初の会話のきっかけを失うと、タイミングを逃してしまい、何だかもうお話するのが気まずくなります。

「会話スキル」は仕事上でもプライベートでも、あってありすぎることはない。必ず必要になるスキルです。人間関係を形成するのは会話です。その人間関係を良くするも悪くするも己次第。ジャニオタをしていると、会話スキルって自ずと身につくんじゃないかなあと思ってます。少なくとも、こういう趣味を持たない人よりは、初対面の人と話す機会は多いはず。役に立つスキルは身につけましょう。血肉にしましょう。ありがたいことにそのチャンスはたくさんあります。

 

 

 

 

③モチベーションが保てる

仕事をしていればやっぱりしんどいこともたくさんあります。「辞めたい」なんて、わたしは何百回も思いました。ある日、仕事が終わって家に帰り、そのまますぐに転職サイトに登録したこともあります。明日、いつ上司に「辞めます」と言おうか悩んだこともあります。母親に泣きながら「もう辞めたい」と電話したこともあります。でもこれはきっと私だけじゃなくて、みんな誰しも経験することなんだと思います。それでも結局、その翌日に辞めなかったのは、「もうちょっとだけ頑張ろう」と思えたのは、やっぱり何だかんだジャニーズの存在でした。どんなに辛くても、もしその1ヶ月後にコンサートが決まっていれば、「コンサートまであと1ヶ月間頑張ろう。辞めるのはそのあとでもいい。」と思えました。コンサートだけじゃありません。新曲の発売が決まれば、発売日まで頑張って働こう。テレビ出演が決まれば、来週の放送まで頑張ろう。そうやってどんどん月日は経っていきました。

大きいことでも小さいことでもいい。未来に楽しいことが待っていれば、それがモチベーションとなります。そのおかげか、私も本気で辞めようと思った日から数年間仕事を続けられました。これは確実にジャニーズの力。「愛はパワーだよ!」*1なんてよく言ったものです。その通りだと思う。「モチベーションは自分で作るもの」だとよく上司に言われていました。ジャニオタをやっていれば、ラッキーなことにモチベーションはゴロゴロ転がっていた。何度彼らの存在に感謝したかわかりません。

 

 

 

④逃げ場がある

それでも、どうしようもない時もあります。すべてを投げ出したい。どこかへ逃げ出したい。誰も私の味方なんていない。もうどうでもいい。涙が止まらない。死んでしまいたい。

そういう時は落ち着いて、温かい飲み物でも飲みながら、大好きなグループのライブDVDを見ましょう。彼らはあなたを決して否定しません。責めません。いつでもそこで一生懸命に汗をかきながら、歌って、踊って、笑って、キラキラ輝いている。それを見ていると、だんだんとスーっと落ち着いてきます。個人差はあるでしょうが、わたしはそうでした。つらいのはわたしだけじゃない。彼らもめちゃくちゃ頑張ってるじゃないか。それでもこうして笑ってるじゃないか。

正直、ジャニーズを逃げ場にしていました。どうしようもない時の駆け込み寺というか、現実逃避の道具というか。それでいいと思います。嫌な現実を忘れさせてくれるのがジャニーズの魅力の一つ。そのような「逃げ場」がある分、辛さ悲しさのはけ口が何も無く、一人で抱え込むしかない人よりは、我々は恵まれている。いつでも両手を広げて受け入れてくれる彼らに、我々は存分に甘えていいんだと思います。

 

 

 

 

なんだか長々と書き続けてしまいましたが、とにかくジャニオタであるわたしは「お金を稼ぐ意欲」「ちょっとした会話スキル」「モチベーション」「辛いときの逃げ場」を兼ね揃えていた。これだけのものがあれば、社会人にとっての充分な支柱になると思います。それらを必死で探し求めてる人も存在するのに対して、ジャニオタであれば自ずと手に入る。

これが、わたしがジャニオタは労働に向いていると思った理由です。

 

これから働くことになる方、今働くことに悩んでいる方、しんどい方、いらっしゃると思います。でもあなたがたは恵まれている。辛くなったら逃げればいい。逃げ場があるんだから。逃げ場があるって幸せです。心から「好きだ」と言えるものがあるって幸せです。「ジャニオタである」ということ自体が一つのスキルです。自信を持ちましょう。そして、次の現場でまた思いっきりはっちゃけましょう。

 

そして、現在専業主婦の私も近々また働きに出る予定です。もちろん軍資金稼ぎに(笑)

お互い、頑張りましょうね。

日本の労働者は気高く、そして美しい。

 

 

*1:ドラマ「To Heart~恋して死にたい~」の名台詞。若い子はたぶん知らない