さよならレストインピース

だいたいジャニーズWESTのこと

舞台ANOTHERを見て思ったことをつらつらと(ネタバレしてます)

大阪松竹座で行われている舞台「ANOTHER」2016年8月9日公演におじゃましてきました。

2013年に行われた同舞台に心奪われた、所謂「ANOTHERおばけ」のわたくしですが、3年後にまたこのお話を演じてくれて、とても懐かしく、愛おしい気持ちにさせてくれて本当に嬉しかった。また当たり前ですが、3年前のANOTHERとはまた違う魅力に満ちていて、関西Jr.の「今」が詰まった素晴らしい舞台でした。

 

さて、ここからネタバレ満載で思ったこと、自分なりの解釈などを述べてまいりますので、ネタバレ回避中の方はご注意ください。

 

 

 

 

前述としまして、わたしは2013年の松竹座ANOTHER、その後に行われた日生劇場ANOTHERどちらも観劇しております。

この話の中心人物である「兄」というポジションを担う人物。2013年はアキト、2016年現在はコウジです。彼らは漂着した島で最愛の弟を失い、その後、仲間と日本へ帰ることを拒み、その島に残ることを選択します。

2013年のANOTHERを観た時点で、わたしは彼(当時はアキト)は、島に残ったのちに弟の後を追い、自ら死を選ぶのだろうと解釈していました。そして2016年現在のANOTHERを観ても、やはりそう思わせる要素がちょくちょく見て取れます。

入水自殺で命を絶った弟の亡骸を抱きながら、兄は仲間たちにうっすらと笑顔を向け、「弟が死んだのはこいつが弱かったから。弟が死んだのは弟の責任。お前らが落ち込むことはない」と励ますような言葉をかけます。自分が絶対に守ると、母親に会わせてやると誓った弟を、自殺という最悪の形で失った悲しみつらさは計り知れないものですが、それでも仲間を思いやる彼に今年も心臓をえぐられる思いでした。

仲間には「弟が死んだのは弟の責任」と言いながらも、その直後のひとりのシーンでは「守れなくてごめん、こんな兄ちゃんでごめん」と自分を責めます。彼は弟の責任だなんて微塵も思ってない。すべては自分のせいだと思っているはずです。この時点で、兄は最大の十字架を背負うことになる。

 

余談ですが、自ら命を絶つ弟を演じた人は、2013年松竹座:レン→2013年日生劇場:ショウ→2016年松竹座:キョウヘイ となってます。なんとなくのイメージですが、この3人の弟たち、みんな少しずつ性格が違うような気がします。性格というか、体質というか…?

レンはただひたすらに「幼かった」。幼いがゆえに過酷な環境に精神をやられ、家族と共にもう一度見ることを強く強く願っていた「雪」の幻覚に導かれ、海へと沈んだ。

ショウは、完全なわたし個人の解釈ですが、少しだけ知的な障害があったんじゃないかと考えていました。年齢はレン・キョウヘイより上ですが、知能は実年齢より低い男の子だったんじゃないかと。同じ質問を何度も繰り返したり、好きだと言っていた曲を時々忘れて歌えなくなったり。結局彼も同じように、楽しかった思い出=雪に導かれ、たぶん彼に関しては、わけのわからないまま亡くなってしまったんだと思います。

そして今回のキョウヘイ。彼は幼さにプラスして、そもそも身体が弱かったのかなと思いました。「キョウヘイはここの生活に合わへんみたい」という台詞、2013年には無かったんじゃないかと記憶してます。精神的な重圧と、さらに身体的にも限界だったのかなと…。

 

どちらにせよ、「弱い」弟を守ると誓い、しかし結果的に守れなかった兄は、日本へと帰ろうとする仲間に「ここに残る。弟もここにいるから。」と宣言します。「僕ひとりでも大丈夫だったのに」という弟の幻覚(と言っていいのか?)に対し、「もうお前を一人にしないと誓ったんだ」と答えます。そもそも、死んだ人間と会話をしてる時点でもう既に兄は死に近づいてるんじゃないかとも思えます。(これは兄の妄想という解釈もできますが…)

 

そして一番悲しいのはこのあと。

幕が降り、兄と弟のみがステージ上に残っている。弟は兄を見つめたあと、何も言わずに暗闇へと歩いて去っていく。

その後を追いかけるでもなく、兄はその背中を見つめ、その場で暗転し、彼の姿は見えなくなる。

このシーン、すごく意味深ですよね…。わたしの解釈ですが、弟は歩いて去っていき、兄はその場で消える。行き先が違う。つまり、兄がその後、弟の後を追い自ら命を絶ったとしても、同じ場所へは行けないのではないか?そばにいてやれないのではないか?だから弟はその前に「日本に帰ってもよかったのに。僕ひとりで大丈夫なのに。」という「帰れ」という意味にも捉えられる言葉を投げかけたのではないか?あれは「僕の後を追っても、一緒にはいられないよ」という弟からの忠告だったのではないか?

兄はそれを知ってか知らずか、島に残った。たぶんそれが兄なりの償いなんだろうと思います。

 

2013年と2016年の違いはここから。ShowTimeです。

「Brother」という曲を披露してくれるんですがまたこれが意味深で。

そもそもこの曲のBrotherは「仲間」という意味でこの単語を使っていると思うんですが、ShowTimeでは「コウジ&キョウヘイ」、「ダイゴ&シュン」という、劇中で実の兄弟である描写があったコンビで歌ってるわけです。(丈くんと長尾くんコンビもいますがまあ置いといて)

つまりマジで「肉親の兄弟」って意味じゃん!と。

一度そう思ってしまうと、もうコウジ&キョウヘイの曲にしか思えない。「You're my brother, don't you worry 何も心配はない いつもそばにいるから いつだって」という歌詞もまんま島に残ったコウジの心境じゃないか…

そして極めつけ。サビの最後の「You're my brother」のところで、十字を切るという振り付けが。あまり詳しくないのですが、クリスチャンが十字を切るのは「祈り」や「懺悔」のときだと記憶しています。(もし違っていたら申し訳ありません。)

とにもかくにも、あの話のあとに「弟よ、何も心配はない、いつもそばにいるから」と言いながら十字を切るなんて、出来過ぎではありません?と少し目眩が。。。

 

と、このように私の中の点と点が線でつながってしまい、しばらく精神的にしんどかったです(笑)

 

何度も言うようですがこれは私個人の解釈です。違う解釈ももちろんあって当たり前。もしかしたら普通にあの島で住人たちとキャッキャ楽しく暮らしてるかもしれませんし。

こういう解釈もあるんだなーくらいに思って頂ければ幸いです。

読みづらかったでしょうに、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

やっぱり「ANOTHER」は大好きな舞台です。もう一度見れて本当によかった。残りの公演も怪我なく楽しく、頑張っていただきたいです。